「入院させるより、家で過ごさせたい」という気持ちは、多くの飼い主さんが持っています。それは正しい選択肢の一つです。緩和ケアは「治療をやめること」ではなく、「その子が今できる限り楽に過ごせるようにすること」です。
痛みのサインを知る ¶
犬猫は痛みを隠す本能があります。「鳴いていないから大丈夫」は判断基準になりません。痛みのサインとして見るべきは、姿勢の変化(背中を丸める、頭を低く保つ)、動きの変化(立ち上がりに時間がかかる、歩幅が小さくなる)、表情の変化(目を細める、耳を後ろに引く)、食欲の変化です。これらが複数重なっているとき、痛みが関係している可能性があります。
自宅での環境整備 ¶
関節に負担をかけないよう、寝床を床から少し高くするか、厚みのあるマットを敷きます。フローリングは滑りやすいため、カーペットや滑り止めマットを敷いてください。水と食事の場所は、移動距離が最小になるよう調整します。階段が必要な場所にはスロープを設置するか、その子が普段いる階に生活用品をまとめます。
投薬の管理 ¶
鎮痛薬や慢性疾患の薬を自宅で投与している場合、投与時間と量の記録をつけることをお勧めします。「飲ませたかどうか」の確認にもなりますし、次回の診察時に変化を伝えやすくなります。薬を食事に混ぜる場合、その子が食事を残したときに投与量が不明確になります。ピルポケットや少量のウェットフードに包む方法が確実です。
看取りの準備について ¶
「いつ来るかわからない」という状況は、精神的に消耗します。あらかじめ「その時どうするか」を考えておくことは、冷たいことではありません。夜間に状態が急変したとき、どこに連絡するか。火葬の手配をどうするか。これらを事前に調べておくだけで、その時の混乱が減ります。当院では緩和ケア相談の中で、こうした準備についても一緒に話します。
在宅緩和ケアの相談は、30分3,300円で受け付けています。「まだそういう段階ではないかもしれないけど」という方でも、早めに話しておくことで準備が整います。ご予約・お問い合わせからどうぞ。