「元気そうに見えるけど、年齢的に心配で」という理由でシニアパックを受けに来る方が増えています。その感覚は正しいです。犬猫の7歳は人間でいうと40代後半から50代。見た目が元気でも、血液の中では変化が始まっていることがあります。

シニアパックで調べること

当院のシニアパックには、血液検査(一般・生化学)、尿検査、血圧測定、関節の触診、そして2026年6月から甲状腺ホルモン(T4)の測定が含まれます。一般血液検査では貧血や炎症の有無、生化学では肝臓・腎臓・膵臓の状態を確認します。尿検査は腎臓の早期変化を血液より先に捉えることがあるため、セットで行います。

腎臓の数値をどう読むか

犬猫の慢性腎臓病は、症状が出たときにはすでに腎機能の70%以上が失われていることが多いです。BUN(尿素窒素)とクレアチニンが基準値内でも、SDMAという指標が上がり始めていれば早期の変化を示します。当院では前回との比較を必ず出します。「正常範囲内」でも、前回より上がっていれば注目します。数値の絶対値より、変化の方向が大事です。

猫の甲状腺機能亢進症について

10歳以上の猫に多い病気で、食欲があるのに体重が落ちる、よく鳴く、水をよく飲む、といった変化が出ます。T4(甲状腺ホルモン)を測ることで診断できます。内服薬で管理できる病気ですが、放置すると心臓や腎臓に負担がかかります。「食欲があるから大丈夫」と思いがちですが、食欲旺盛なシニア猫こそ注意が必要です。

関節の変化に気づくために

犬の関節炎は、「歩くのを嫌がる」「階段を避ける」「起き上がりに時間がかかる」という形で現れます。触診では、関節の腫れや可動域の制限を確認します。痛みを表に出さない子も多いため、飼い主さんの「なんとなく動きが鈍くなった気がする」という感覚を大切にしています。早めに気づけば、サプリや生活環境の調整で進行を遅らせることができます。

年2回を勧める理由

年1回だと、前回の検査から12か月が経過しています。犬猫の1年は人間の4〜5年分に相当します。その間に腎臓の数値が動いていても、比較する基準がありません。年2回(春と秋)に受けることで、変化の速度がわかります。「去年と同じ数値」なのか「半年で少し上がった」のかでは、対応が変わります。

シニアパックは予約制です。7歳を過ぎた子がいる方は、次回の予防接種のタイミングに合わせて受けるのが一番続けやすいです。詳しくはご予約・お問い合わせからどうぞ。